相談員ブログ
2015年07月23日
相続は慎重に
名駅相談室の五藤です。
私事ですが、最近引越しをしました。
引越しをしたばかりだと、揃えなくてはいけないものが多くあり、買い物に行くと目移りばかりしてしまいます。
つい先日、買い物に行った先で、気に入った絨毯があり購入してきました。持ち帰って、いざ部屋に敷こうと思って広げてみると、なんとサイズが合わない。部屋の大きさに対して少しばかり大きすぎたみたいです。
買った時は、いい買い物が出来たと喜んでいたのに…
目先のことだけ考えて、後先考えずに行動って良くないですね
このことは相続の現場でも同じことが言えます。
例えば、過去にこんなお客様がいらっしゃいました。
亡くなられた方はお父様。お子様からのご相談です。
お父様は生前、車を運転するのが好きで、よく奥様と一緒にドライブに行っていたそうです。ですが、そんなお父様がお亡くなりなってしまい、車を乗る人が居らず、このまま車を持っていても駐車場代や維持費がかかるだけということで、車を売却されたそうです。
その後、他の相続のお手続きをしたいと弊社にご相談に来られました。
そうして、弊社でお手伝いすることになり、お父様の財産調査をしていたところ、ご家族が知らなかった多額の借金が出てきてしまいました。ご家族は大変驚かれて、とても払える金額ではないと、相続放棄をご希望されました。ですが、この時には後の祭り。
法律上、相続放棄の手続きをする前に、「相続財産の処分行為」を行なった場合には、その後に相続放棄をすることはできず、亡くなられた方の一切の財産を承継しなければならない(民法921条1号より)となっています。
これにより、このご家族は既に車を処分してしまったが為に、もう放棄は出来なくなってしまい、ご泣く泣く借金を背負うことになってしまうのです。(実際は様々な方法を使って円満な相続をすることができたのですが…ただ、やはり借金が出てきたときには気が動転して、気が気じゃなくなってしまいますよね。)
弊社にご相談に来られるお客様で、とりあえず自分でやれる事だけはやったという方が多くいらっしゃいます。ご自身で何でもやってみるのはいい事だと思います。でも、相続の時には要注意。
やってしまったが為に不利益を被ってしまうということも出てくるのです。
相続のことを考える時は、まず全体像を把握してから動き出しましょう‼