相談員ブログ
2013年11月08日
安易な相続対策が招く悲劇
生前お父様がある税理士さんの無料セミナー&相談会に行ったそうな。そこで養子縁組がいちばん簡単で確実な相続税対策である!と言われて、そのまま長男の妻を養子にしたらしい。
嫁いでいた妹は何も聞かされないままで、四十九日に初めて養子縁組をしていたことを聞かされびっくり。。。
以前は何事も話ができた家族だったのにどうして養子縁組なんて・・・と嘆くばかり。
きっと兄(長男)夫婦がお父さんをだまして無理やり縁組したに違いないと疑い、強く不信感をもっている。
確かに相続税の減額効果は約100万円ほどあった養子縁組ですが、兄妹の信頼関係はボロボロ、兄嫁と妹は会話も出来ないまま目も合わそうとしない状況が続いている。
節税効果だけが相続対策のすべてだったのか?
実は生前に養子縁組して相続対策していたご家族で、相続手続きのお手伝いをさせて頂いたご家族のほとんどが、養子縁組を喜んでいないというのが私の実感。
死後、養子縁組を解消したいと言ったり、苗字などの問題でお孫さんが困っていたり、前記の兄妹のようにかえって家族中に大きな亀裂が入ったり・・・。
税だけを見て養子縁組を簡単に勧めることのデメリットをわかっていない専門家が多いことに改めて驚いています。
間もなく、遺産分割と相続税の申告が終わります。その後兄妹の仲が以前のように少しでも戻っていただけるよう、あと少し頑張ってお手伝いをしていきます。